「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について、まとめてみた

概要

2018年3月9日、欧州在住の男性ら 8人の原告が、東京地裁へ訴状を提出した。原告の 1人は、スイス在住の日本人で、仕事の都合でスイス国籍を取得した後、日本国籍を失った。原告は、「国籍法第11条」が「日本国憲法22条」の記載と矛盾するとして、日本国籍を有することの確認などを求める。

本記事では、この訴訟についての内容やタイムラインなど、関連情報をまとめる。

訴訟の内容

訴訟の詳細は、公開されている訴状の内容を確認してほしい。

  •  「国籍法第11条」が「日本国憲法22条」の記載と矛盾する。
    ・そのため、原告が日本国籍を保有することを確認する。
    ・また、原告が外国国籍を取得しても、日本国籍を失わないことを確認する。
  • 訴訟のためにかかった費用は被告が負担する。

原告

欧州在住の元日本国籍保持者ら8人。原告団代表は、スイス在住の野川等氏。

  • Swissinfo の記事によると、野川等氏はドイツへ留学し、スイスで活動を行っている。
  • 日本からドイツに留学。ドイツで精神病理学・精神分析を専攻し、その後ルツェルンの病院で麻薬患者のカウンセラーの仕事に就き、夜は宗教学を学びに大学に通った。同時にアッぺンツェルンでベトナムの孤児を引き取り、スイスの学校に入学させる支援活動も行った。
  • 現在もこの支援活動を行いながら、若い音楽家を支援する「アヤメ基金」を創設。2009年から、スイスで育った音楽家、ないしはスイスで音楽活動をする音楽家を日本に連れて行き演奏会を行う「SWISS WEEK」を日本で行ってきた。

訴訟に関連する法案

国籍法第11条1項

国籍法第11条1項
第十一条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

日本国憲法第3章第13条

日本国憲法第3章第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

日本国憲法第3章第22条

日本国憲法第3章第22条
2. 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

タイムライン

2018/03/01 原告団代表 野川等氏らが、「国籍法11条改正を求める有志の会」を立ち上げ予定
2018/03/01 Change.org で署名サイトを立ち上げ
2018/03/02 Facebook などで署名サイトの拡散活動が行われた様子
2018/03/09 原告団代表 東京地裁へ訴状を提出
2018/03/12 原告団代表 東京霞が関の司法記者クラブで会見
2018/07/05 東京地裁で第1回口頭弁論
2018/09/01 原告を支援する関係者がサイトを開設
2018/10/09 東京地裁で第2回口頭弁論
2018/12/24 仏 AFP 通信が本訴訟について報道

訴訟に関するその他の状況

国籍法第11条1項改正を要求する署名サイト

訴状が提出される前、Change.org で署名サイトが立ち上げられた。内容は、国籍法第11条1項の改正を要求するもの。今回の訴状には、国籍法第11条1項の改正までは要求していない。

署名サイトでは、「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍取得したときは、日本の国籍を失う。」という個人の選択を許さない条文ではなく、「日本の国籍を放棄することを選択できる。」のように柔軟な解釈のできる条文に改正するよう提案している。

更新履歴

2018/03/02 初版
2018/03/04 更新(概要を更新。訴訟に対する報道を更新)
2018/03/05 更新(訴訟についての詳細を更新)
2018/03/10 更新(タイムラインなどを更新)
2018/03/13 更新(最新状況を反映、デザインを更新)
2018/03/25 更新(訴訟に対する報道などを更新)
2018/04/06 更新(訴訟に対する報道などを更新)
2018/05/09 更新(訴訟に対する報道を更新)
2018/07/10 更新(07/05 の第1回口頭弁論の内容を更新)
2019/01/20 更新(全体を更新)


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5 thoughts on “「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について、まとめてみた

  1. このことにたいして反対意見を書かれている方々は今回の訴訟の内容を熟読していないでコメントしているようです。今回の訴訟の最終目的は本来の日本人が海外で活躍するときに、場合によってはその国での国籍がある方が活躍しやすい場合があるのです。その典型例は日本人ノベル賞受賞者が米国で米国籍を取得することが知られています。ですから、国籍法11条を「自己の志望で外国籍を取得した場合には、希望すれば日本国籍を維持することができる」との柔軟な条文にすることが最終目的なのです。ですから、自動的に重国籍を誰でも取得することではないのです。希望しなければ日本の国籍を放棄できるのです。
    さらに、この問題に極端なまでに否定的な人は、重国籍??、それは中國人も重国籍を自動的に習得し、日本が危険になるとの極論になるのです。でも、そんな恐れを抱くのなら、この条文に「帰化日本人には適用されない」のような付則を付ければ済むことなのです。
    日本に生活している日本人が日本人ではなくなるという概念は全く想像できないのです。いずれにしても今回の改正の目的を十分に理解していないで、重国籍、中国人、日本にとって危険、と飛躍解釈してしまうのは何故なのでしょうか。もし、本当にそのような危惧を抱いているのなら、現実には中国人が日本の森や土地を簡単に購入したり、わざわざ中国人達に売るためにアパトなどを建てている日本の業者は全く問題にしていないのでしょうか。

    1. はじめまして。「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について調べていて、このサイトに当たりました。できればお力をお借りしたいと思いコメントさせていただきました。私は現在アメリカ西海岸ベイエリアに住んでおります(今年で在米21年になりました)。去年の暮れに初めて娘が生まれたのですが、お恥ずかしながら、出生届のルールに関して全く無知だったため、出生届の期限内に出すことができませんでした。ご存知だと思いますが、外国で日本人の親から生まれた子供は、3ヶ月以内に出生届を出さないと、受理してもらえず、日本国籍も失ってしまいます。そのことを知らなかった方が悪い、という批判は承知の上ですが、この「3ヶ月ルール」はあまりに理不尽だと思います。実際妻の母国である英国とイタリア(どちらも日本と同じ、国籍の血統主義をとる)では、そんなことはありません。20歳までに日本に6ヶ月以上住めば、国籍取得できる、という救済処置があるのは知っていますが、これはあくまで「帰化」であって、娘のBirth Rightとしての日本国籍はすでに失われてしまっております。現在、この「3ヶ月ルールは違憲であり、無効である」という訴訟を起こせないだろうか、と思案しています。おそらく、似たような状況にある在外の日本人は結構いると思うので、ある程度の賛同は得られるのではないか、と思います。たとえば、今回の、「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟を起こしている弁護士さんに相談できれば、と思いますが、どのようにして連絡をとって良いかわかりません。このことについてもしアドバイスいただければ、と思いコメントさせていただきました。どうかよろしくお願いいたします。

  2. オーストラリア在住16年の邦人です。
    オーストラリア永住権を所持していますが、永住権保持者ではオーストラリア政府関連の職業に就けないという不利な点があります。
    自分が応募したい求人の募集要項にある学歴、資格、経験があるにも関わらず、オーストラリア市民権が無いが為に応募すらできないのは残念で、悔しいです。
    日本の国籍法が改正される事を切に願います。

  3. はじめまして。「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について調べていて、このサイトに当たりました。できればお力をお借りしたいと思いコメントさせていただきました。私は現在アメリカ西海岸ベイエリアに住んでおります(今年で在米21年になりました)。去年の暮れに初めて娘が生まれたのですが、お恥ずかしながら、出生届のルールに関して全く無知だったため、出生届の期限内に出すことができませんでした。ご存知だと思いますが、外国で日本人の親から生まれた子供は、3ヶ月以内に出生届を出さないと、受理してもらえず、日本国籍も失ってしまいます。そのことを知らなかった方が悪い、という批判は承知の上ですが、この「3ヶ月ルール」はあまりに理不尽だと思います。実際妻の母国である英国とイタリア(どちらも日本と同じ、国籍の血統主義をとる)では、そんなことはありません。20歳までに日本に6ヶ月以上住めば、国籍取得できる、という救済処置があるのは知っていますが、これはあくまで「帰化」であって、娘のBirth Rightとしての日本国籍はすでに失われてしまっております。現在、この「3ヶ月ルールは違憲であり、無効である」という訴訟を起こせないだろうか、と思案しています。おそらく、似たような状況にある在外の日本人は結構いると思うので、ある程度の賛同は得られるのではないか、と思います。たとえば、今回の、「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟を起こしている弁護士さんに相談できれば、と思いますが、どのようにして連絡をとって良いかわかりません。このことについてもしアドバイスいただければ、と思いコメントさせていただきました。どうかよろしくお願いいたします。

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