「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について、まとめてみた

 

概要

2018年3月、欧州在住の元日本国籍保持者らを含む「国籍法第11条改正を求める有志の会」が、国籍回復などを求める訴訟を東京地裁に起こします。訴訟は、「国籍法第11条」が「日本国憲法22条」の記載と矛盾するとして、「国籍法第11条」の改正を求めるものです。本記事では、訴訟についてのタイムラインや報道状況などの関連情報を記載します。

 

タイムライン

2018/03/01 原告団代表 野川等氏らが、「国籍法11条改正を求める有志の会」を立ち上げ予定
2018/03/01 Change.org で署名サイトを立ち上げ
2018/03/02 Facebook などで署名サイトの拡散活動が行われた様子
2018/03/08 Change.org の署名サイトで 15,000人の賛同者が集まる
2018/03/09 原告団代表 東京地裁で国籍回復などを求める提訴
2018/03/12 原告団代表 東京霞が関の司法記者クラブで会見
2018/07/05 東京地裁で第1回口頭弁論

 

訴訟についての詳細

原告

欧州在住の元日本国籍保持者ら8人。

(1) 原告団代表は、野川等氏。

  • Swissinfo の記事によると、野川等氏はドイツへ留学し、スイスで活動を行っている。
  • 日本からドイツに留学。ドイツで精神病理学・精神分析を専攻し、その後ルツェルンの病院で麻薬患者のカウンセラーの仕事に就き、夜は宗教学を学びに大学に通った。
  • 同時にアッぺンツェルンでベトナムの孤児を引き取り、スイスの学校に入学させる支援活動も行った。
  • 現在もこの支援活動を行いながら、若い音楽家を支援する「アヤメ基金」を創設。2009年から、スイスで育った音楽家、ないしはスイスで音楽活動をする音楽家を日本に連れて行き演奏会を行う「SWISS WEEK」を日本で行ってきた。

 

(2) スイス在住の白石由貴さん(33)

  • 10代のころ、日本国籍を失って、公式な名前は「Yuki Shiraishi」となった。意見陳述で「私の名前には『自由で貴い心を持った人になるよう』という両親の思いがこめらえている」「アルファベットでは先祖とのつながりや、親の思いを表現したことにならない」などとうったえた。

 

原告側の要求

国籍法第11条1項の改正を要求。「日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍取得したときは、日本の国籍を失う。」という個人の選択を許さない条文ではなく、「日本の国籍を放棄することを選択できる。」のように柔軟な解釈のできる条文に改正するよう提案。

 

原告側への反対意見

原告代理人によると、国側は次の理由を根拠に反論しているという。

(1) 複数国籍を認めてしまうと弊害が生じるおそれがある。
(2) 複数国籍の国民をみとめてしまうと主権国家の本質に反する。

 

訴訟に関連する法案

国籍法第11条1項

国籍法第11条1項
第十一条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

 

日本国憲法第3章第13条

日本国憲法第3章第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

日本国憲法第3章第22条

日本国憲法第3章第22条
2. 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

 

訴訟に関する報道状況

訴訟に関する報道

2018/02/24 | 「外国籍取得したら日本国籍喪失」は違憲 8人提訴へ | 朝日新聞
2018/02/26 | Japanese abroad plan first lawsuit demanding dual citizenship | 朝日新聞
2018/02/27 | Japoneses en el extranjero demandarán al gobierno de Japón para exigir la doble nacionalidad | International Press
2018/03/06 | 外国籍を取得したら? 移民国家・スイスのルール | Swissinfo.ch
2018/03/12 | 「外国籍取ると日本国籍喪失は違憲」日本出身ら8人提訴 | 朝日新聞
2018/03/12 | 「外国籍を取得すると日本国籍喪失は違憲だ」と提訴(18/03/12) | ANNnewsCH
2018/03/12 | Japanese abroad file suit seeking the right to hold two passports | The Asahi Shinbun
2018/03/12 | 日本国籍の喪失に苦しむ国外在住者「国籍法にアイデンティティ奪われた」、国を提訴 | 弁護士ドットコム
2018/04/24 | 「国籍」は揺らぎ続ける—世界の潮流から取り残された日本の国籍法 | nippon.com
2018/07/05 | 外国籍取得、日本国籍喪失で「由貴」から「Yuki」へ…「アルファベットでは親の思いが感じられない」 | 弁護士ドットコム

 

訴訟に賛成する記事

2018/02/28 | 国籍法と二重国籍 | 弁護士作花知志のブログ
2018/03/01 | 二重国籍が許されたら | セ−ヌ&テムズ
2018/03/00 | 国籍法11条の改正を(**) | 伸二のブログ/ 異見万華鏡

 

訴訟に反対する記事

2018/02/26 | 二重国籍を奨励する朝日新聞の愚 | 反日勢力を斬る
2018/02/26 | 「外国籍取得したら日本国籍喪失」は違憲か | 私的憂国の書
2018/02/26 | 多重国籍認めさせようと外国籍8人が訴訟・・・東京地裁 | 豊受真報

 

更新履歴

2018/03/02 初版
2018/03/04 更新(概要を更新。訴訟に対する報道を更新)
2018/03/05 更新(訴訟についての詳細を更新)
2018/03/10 更新(タイムラインなどを更新)
2018/03/13 更新(最新状況を反映、デザインを更新)
2018/03/25 更新(訴訟に対する報道などを更新)
2018/04/06 更新(訴訟に対する報道などを更新)
2018/05/09 更新(訴訟に対する報道を更新)
2018/07/10 更新(07/05 の第1回口頭弁論の内容を更新)


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2 thoughts on “「二重国籍は違憲」とする国籍法に対する訴訟について、まとめてみた

  1. このことにたいして反対意見を書かれている方々は今回の訴訟の内容を熟読していないでコメントしているようです。今回の訴訟の最終目的は本来の日本人が海外で活躍するときに、場合によってはその国での国籍がある方が活躍しやすい場合があるのです。その典型例は日本人ノベル賞受賞者が米国で米国籍を取得することが知られています。ですから、国籍法11条を「自己の志望で外国籍を取得した場合には、希望すれば日本国籍を維持することができる」との柔軟な条文にすることが最終目的なのです。ですから、自動的に重国籍を誰でも取得することではないのです。希望しなければ日本の国籍を放棄できるのです。
    さらに、この問題に極端なまでに否定的な人は、重国籍??、それは中國人も重国籍を自動的に習得し、日本が危険になるとの極論になるのです。でも、そんな恐れを抱くのなら、この条文に「帰化日本人には適用されない」のような付則を付ければ済むことなのです。
    日本に生活している日本人が日本人ではなくなるという概念は全く想像できないのです。いずれにしても今回の改正の目的を十分に理解していないで、重国籍、中国人、日本にとって危険、と飛躍解釈してしまうのは何故なのでしょうか。もし、本当にそのような危惧を抱いているのなら、現実には中国人が日本の森や土地を簡単に購入したり、わざわざ中国人達に売るためにアパトなどを建てている日本の業者は全く問題にしていないのでしょうか。

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